10/35
前へ
/360ページ
次へ
「これは私の問題だと思うの。何か……あってこうして再び同じ世界に行って、その時とは違う何かをさせようとしているのだと思う」 「……誰が?」 水夜は隣に座り、タオルを俺の膝に置く。 「分からない。今経験している事は偶然ではなく必然だもの。やよいさんの件も" たて子さん "ではなく、" やよいさん " という女の子の悲しい過去を知って、彼女は自ら光の道を見つけて友達と共に、歩いて行くことができた。 もしかしたら、今回も日記の事だとすると、きっと何かある」 彼女は膝の上の両手をグッと握りしめた。 また、彼女は1人で何かしようとしているのだ。 俺だって危ない目にあうかも知れない。 だけど、水夜だって、危険には違いない。 「あのさ、前も言ったけど、俺たち友達だろ?水夜を1人で危ない所に行くことを聞いて、止めないワケない」 「でも、私は行くわ」 「俺も行く」 「緋朝、ダメよ」 水夜は俺を叱りつけるような目をしたが、今回は引けない。 いや、今回も引けない。 危険だって言ってるだろ。
/360ページ

最初のコメントを投稿しよう!

190人が本棚に入れています
本棚に追加