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「これは私の問題だと思うの。何か……あってこうして再び同じ世界に行って、その時とは違う何かをさせようとしているのだと思う」
「……誰が?」
水夜は隣に座り、タオルを俺の膝に置く。
「分からない。今経験している事は偶然ではなく必然だもの。やよいさんの件も" たて子さん "ではなく、" やよいさん " という女の子の悲しい過去を知って、彼女は自ら光の道を見つけて友達と共に、歩いて行くことができた。
もしかしたら、今回も日記の事だとすると、きっと何かある」
彼女は膝の上の両手をグッと握りしめた。
また、彼女は1人で何かしようとしているのだ。
俺だって危ない目にあうかも知れない。
だけど、水夜だって、危険には違いない。
「あのさ、前も言ったけど、俺たち友達だろ?水夜を1人で危ない所に行くことを聞いて、止めないワケない」
「でも、私は行くわ」
「俺も行く」
「緋朝、ダメよ」
水夜は俺を叱りつけるような目をしたが、今回は引けない。
いや、今回も引けない。
危険だって言ってるだろ。
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