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「だから、な?俺と一緒に行くって言えば言いんだよ。そしたら離してやるし」
水夜の黒い瞳が、戸惑いで揺れている。
「……でも」
「なんだよ、俺が頼りないからか?」
まぁ、そう思われているかも知れないのも分かる。
霊の事でいうと、俺は何にも出来ない。
足手まといだ。
でも、もしかしたら。
助ける事が出来る何かがあるかも知れない。
水夜を1人で行かせる訳にはいかない。
「違うわ。そんな訳ない。日記の世界には、私だってもう行かないと思ってた。
でも、何かあるのよ。
……でも、でも……緋朝を巻き込むのが怖い」
「水夜」
「ごめんなさい、あなたに日記を渡さなければ良かった。でも、緋朝に会えた事は嬉しいの。ホントよ」
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