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俺は日記を閉じて、水夜を見た。
「とにかく、早く行かないと、2〜3日で俺死んじゃうかも知れないじゃん」
「私が食べたのに、また同じようなモノが現れるって事は、 根本的に何か解決出来てない事が気がするんだけど……
最悪、私がその顔を食べてしまえば緋朝は助かるわ。安心して」
そう言われても、落ち着かない。
俺はため息をついて、再びベッドに倒れこむ。
「私が守るって言ったでしょ?」
「分かってるさ、でもっ……!」
水夜は一度首をすくめると、ゆっくり俺の横に寝転んで、顔を近づけてきた。
「な、んだよっ」
「ゆっくり眠れるおまじないよ」
「えっ…」
何にも考えられないまま、フゥッと額に息を吹きかけられる。
「水夜、もしかして、これ……」
やよいさんの所へ行くときにもされたおまじないじゃないのか?
「お察しの通りよ。私も眠るわ。向こうで会いましょうね」
水夜は俺の手を握ると目を閉じてしまった。
心の準備が出来てない!
「ちょい待て待て!」
「なぁに?緋朝が不安そうにするから、すぐに行くのよ?」
「いや!だから、作戦をだな!」
彼女は一瞬、眉間に皺を寄せると、俺の両瞼をそっと指の腹で撫でる。
「とにかく!俺は、ここ、ろの…じゅん、び…」
「……本当にもう、怖がりねぇ」
彼女の声がそんな風に聞こえた気がしたけれど、俺は気を失ったように眠ってしまった。
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