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瞬きしたら。
俺は、水夜の館のベッドの上だった。
横をゆっくり向くと、水夜もいる。
そして、彼女はゆっくりと起き上がった。
「懐中電灯、ね。この部屋にもあるわよ。でも2本要るかしら。」
一瞬、頭がうまく動かなかったが、懐中電灯がいる、と思い出す。
「……そうだな。あと、携帯電話もライトついてるし、持っていくかな」
俺はテーブルの上に置いてある携帯をズボンのポケットに入れる。
俺がヘマをやらかして、懐中電灯を落としたりしたとしても、通信機能は使えなくても、ライトとはしては少しでも使えそうな気はする。
「はい、これ持って」
水夜が俺に1本懐中電灯手渡して来て、ベッドに横になる。
「な、さっきも言いかけたけど、何かこう、計画…を、だ、な…立て…」
勢いよく彼女を振り返ったが、水夜は、俺の額に息を吹きかけた後、目元を優しく覆い、数分前と同じように、急に眠気に襲われた。
***
「計画を立てっ…て……」
再び真っ暗闇。
工場に到着。
「水夜っ、急にはやめてくれよ」
「あなたを待ってたら、遅くなるもの。
さ、懐中電灯をつけて」
水夜は先に懐中電灯をつけた。
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