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その時だった。
光で近くの壁がパッと明るくなり、そこに浮き上がる白い顔があった。
「うわっ」
目に瞳はなく、口は叫んでいるように不規則に動かし、外に出たいのか、踠き、ひたすら首をグイグイと回している。
水夜の館で見た、石膏男だ。
俺も急いで懐中電灯をつけて、石膏男を照らした。
「こいつだ!俺に血を吐いたヤツ!」
「でも、私が食べた男性じゃないわ。こんなに若くなかったもの。もっと歳を取っていたわ」
「えっ!?」
確かに蠢く顔は、シワやたるみもなく、若く見える。
見た目で判断するなら、俺と年齢が変わらないように感じた。
「どうするんだよっ!うわっ!」
突然、石膏男が「あ」だか「お」だか分からない声で、吠え始める。
そして、ボタボタと口から血の塊のような物を吐き出した。
辺りにビチャビチャと液体の飛び散る音がしたけれど、水夜は御構い無しに、その顔に近づいていく。
「っ!!おいっ!やめろ!」
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