孤独

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*** 壁の内側と思われる場所は、やけに広い。 まるで宇宙に居るみたいで、地平線すらない。 ただ、灯りが無くとも周りは見渡せる。 そんな所に、俺と石膏男はいた。 いや、 今は" 石膏男 "と呼ぶのはおかしいかも。 免許証通りの男は、石膏でも、ミイラでもなく、俺と同じように動いているからだ。 そいつは俺の後ろから前へ回り込む。 「杉村……?」 俺が男の名前を聞いてみると、パッと顔を明るくさせる。 「俺の事、知ってるのか!?俺はお前の事誰か知らないけどよ、助けてくれ!」 杉村は俺の肩を両手で掴んで、揺さぶる。 「助けてくれって、どういう事だよ?むしろ、俺を襲ったんじゃ?」 「違う!早くしないと蜘蛛に食べられちまう!その前にここから助けてくれ!」 「ちょ、ちょっと待て!説明しろ」 杉村は、俺が話を理解出来ないのが、もどかしいようで自分の親指の爪を噛んだ。
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