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「クエストなんかは、依頼帳じゃなくてもネット環境があればみれるっす。ただ、普通の回線とは違うから、使いたい人は登録して貰いますけどね。登録出来れば、スマホも使えます」
「ふぅん、でも、普通の人間にはバレない?なんせ俺が住んでる世界にはない回線て事だよね?」
伊蔵が指をパチンと鳴らし、俺に親指をグッとたてた。
「緋朝さん、さすがっすね!そうなんす。普通にはない回線です。でも、一般的にある通信会社のアドレスを万屋が呪術でおりまぜて、使用しているように見せかけてます。まぁ、あんまり他人に見せる事はないし、教える事も少ないんですけどね、俺みたいな寂しがりやは、友達欲しいからスマホは必需品です」
もっと色々聞きたい。
その万屋のクエストは、一体どんなものがあるのか?とか。何人くらい水夜のような人がいるのかとか。
だが、その前に、水夜がお茶を持ってやって来た。
「お待たせしたかしら?伊蔵くんナッツ好き?」
「ナッツ好きっす、好きっす!ありがとうございまーす!」
水夜は、伊蔵の前に、コーヒーと小皿に入ったナッツを置いた。
「さて、水夜さんのお話聞きましょうか?」
「えぇ、宜しくお願いします」
伊蔵は自分のスマホを取り出し、何やらアプリをタップすると、真っ暗な画面に切り替わる。
それを自分と水夜の真ん中に置くと、水夜に「どうぞ」とニッコリと微笑んだ。
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