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「なななな……よ、万屋って、一体何の店なんだよ…200万て!」
「何でも屋っすよ」
「あのね、緋朝、万屋さんは買い物以外にも、人間に悪さをする悪霊とか妖怪とかそんな風に呼ばれる物を退治するのを私みたいな人間じゃない人に頼んだりしているの」
伊蔵と水夜は、冷静に俺に説明していたが、単なる別世界を移動できる店かと思っただけに驚きを隠せない。
「なんか、俺も上手く説明出来ないっすけどー、むかーし、神様的な人に、万屋の創始者が悪霊退治を頼まれて、旅してたらしいんですけどー、1人じゃ追いつかなくって、悪霊退治屋を作ったらしいですよー。でも、それだけじゃ金も足りなくなるし、店は続かない。
んで、何でも屋にしたとか。今じゃ、かなりおっきな会社になったっワケっす。こんな、自動記憶再生アプリなんかも作ってるワケだし、昔よりラクになったっす!」
伊蔵は自分のスマホをフリフリと振った。
……なるほどな、なるほどな…
そう言う事も合わせて不思議な世界なんだな。
自分の頭をなんとか納得させる。
「ちなみにさ、さっき話してた、りょくれいこ?だっけ?りょくれいこう?それって何?」
「あー!緑霊香です。緑の霊の香りって書きます。緑の粉で霊を呼び寄せるのに使うっす」
「あ、あれか」
水夜が吐き出した緑の粉を思い出した。
そう言えば、前に話を聞いたな。
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