190人が本棚に入れています
本棚に追加
/360ページ
恋愛って、よく考えたら俺、好きな子にはフラれて、特に好きでもない子に告られて付き合うってパターンが多かったかも。
自分から好きになって付き合った子って……今までいたっけな?
そう考えると今回もフラれるパターンかな、これは。
俺はベッドに力なく座る。
じゃあ、言わずにこのままいい関係でいた方がいいのかも。
……相手は何より死んだ子なんだ。
結婚も出来ない。
子供だって作れないだろうし……
そうだ。
もう、友達だと思うんだ!
よし、水夜は友達だ!
自分に強く言い聞かせて、俺はフゥーッと強く息を吐く。
でも、その時、脳裏に伊蔵がよぎった。
男から見ても、伊蔵ら顔だって結構イケてると思う。
そして、明るくて背も高め。
……俺より低いけど。
でも、なにより。
アイツなんか自由に色んなとこにいける。
水夜が求めてる人材じゃないのかな?
……俺なんかより。
さっきとは違う大きなため息が出た。
伊蔵と仲良くしている水夜を想像して、ベッドに寝転んでから、枕をバンバンと叩く。
死人同士で意気投合できるじゃんよ。
「そんなの諦められねぇ…」
どうしたら好きになってもらえるのかも、どうやったら俺が諦められるのかも分からない。
「緋朝、どうしたの?ドンドン音が聞こえたけど」
最初のコメントを投稿しよう!