考えごと

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「や、何もない」 「そうなの?…にしても、今日は疲れたでしょう?次にどうすればいいのか答えも見つかってない訳だし、それまで少しのんびりしましょうか?」 「あ、うん、そうだな。あの蜘蛛が何で人を狩っているのか分からないもんな」 水夜が俺の横に座る。 「えぇ。そうね」 「あの、工場は未だに取り壊されてないのかな?普通、誰かその土地を買ったりするだろ?」 「あそこは、割と田舎で、山を切り開いたような所にあったハズよ。流石に売れたかしら。あれから何十年も経ったものね」 そんな辺鄙な所なら、なかなか売れなかったかも知れないけれど、そう。水夜が言うように、何十年も経っている。 でも、それなら、何故まだ俺の所に今、杉村は現れたのだ。 単なる日記の続きだからなのか? 「杉村が魂を助けて欲しかっただけなのかな?それとも蜘蛛が俺たちを呼んだのか?」 「蜘蛛が?でも、あそこのケースの蜘蛛たちは全て成仏していたわ」 「でも、実際に大きなのが1匹いるわけだしな」
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