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「……」
水夜は小さく頷くと、何故なのか考えているようだった。
「そう言えば、そうよね。強く霊気が出ていたのはあの部屋なワケだし」
他にも被害者はいたけれど、あの蜘蛛の部屋以外で警察や仲間に発見されたのだろうか?
蜘蛛に内臓を溶かされて、吸い取られてはいるが、きちんと見つかっているのである。
その時、蜘蛛の糸はどうなっていたんだろうか?
俺や杉村のようにグルグル巻きにはなっていないのか?
「緋朝が言うように、蜘蛛がまだどこかにいるとしたら、どこにいるのかしら?
緋朝が杉村さんに捕まった時、あちこち探し回ったのよ。その時も蜘蛛なんて見かけなかったわ。霊力が強い部屋はあの蜘蛛の部屋よ。そこには死骸しか無かったもの」
「俺は見てないからどうとも言えないけど、あの杉村が、ミイラになっていた部屋のケースの中の蜘蛛は確かに死んでいたよ、だけど、どこかに居るはずだ。」
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