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飯原は俺から離れると、ハハハと大きな声で笑って、バンバンと肩を叩いた。
「まー、矢田さん関係なしにさ、またメシでも行こうや!最近お前ちょい暗い顔してるぞ?
男同士で一杯やるのもいいだろ?」
「おお、行こうぜ。また時間あわそう」
俺、そんな暗い顔してたのか…
全然気がつかなかった。
飯原が励ましてくれたお陰か、水夜の事を考えるのをやめる事ができた。
だけど、土曜日はやってくる。
蜘蛛の件を片付けないと。
***
朝起きて、
それから会社に行って、
帰ってきて、
メシ食って、
寝る。
今まで通りの生活をしてるだけだったからか、普通に体力が回復した。
あの変な世界に行くのは、もしかして体力とかなんか使ってるのかな。
土曜日、そんな事を考えながら、水夜の所にいった。
たった1週間なのに、玄関のドアを開ける水夜を見ただけで、胸がギュッと痛む……
水夜は、綺麗なだけでなく所作というか、動きが、ホントに美しい。
それも魅力的だ。
だけど、彼女は元死人なんだよな。
こんなに綺麗なのに。
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