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「緋朝は、ホントに子供みたいねぇ。自分が一番に見てもらいたいみたい。そんな事言わなくても、ここに来れるのは今のところ、あなただけよ。あ、伊蔵くんもだけど」
ほらな、子供扱いだ。
別に俺を意識しての事じゃない。
「……そういや、やよいさんの所にあった鍵ある?あれに似てたんだよ、一応持って行こうよ」
「勿論、用意するわ。だけど、何故、あの金庫の鍵がやよいさんの家にあったのかしら?やよいさんと、あの工場はなんの関係もないはずだけど」
「分からないけど……この世界なんでもありだからな、基本。日記の順になにかアイテム的に毎回出てきたりして」
冗談のつもりで、ヘヘッと笑ったが水夜がこくこくと頷いた。
「そう言うことも有るかもねぇ。じゃあ、そのアイテムの事も毎回謎を解かないといけないと言う事なのね」
思わず無言になる。
「しかも、思うんだけど、やよいさんの時も、今回も、緋朝が過去を見てどうしたらいいかヒント的な物を持ってくるわ」
「え?」
「だって、やよいさんの過去を見て、友達になろうとしたり、今回も、工場の社長の過去を見て、暗号と鍵の事を知ったわ。私では出来なかった事だもの」
確かに……
違うとは言えない。
「私には緋朝が必要なのね」
恋愛の意味じゃないのは分かってる。
でも、それでも必要と言ってくれる事が嬉しい。
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