叶えられなかった想い

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雨の音で、目を覚ました。 俺は布団を一度、頭までかけたけど、すぐにここが水夜の館だった事を思い出して、飛び起きる。 結構ぐっすり何時間も眠っていたようで、日曜の朝を迎えていた。 「寝過ぎたっ!」 一階の水夜の部屋の前まで行くと、ノックと同時に部屋のドアをあけた。 「水夜?体の調子はどう?」 俺の問いに、水夜の返事はなく、俺は心配になり、そっとベッドを覗く。 彼女もすっかり疲れていたのか、スヤスヤと眠っていた。 顔色も……悪くない。 そっと、彼女の額に指先を触れさせてみるが、熱も無さそうだ。 安心した。 今回は、大事には至らなかったみたいだ。 「緋朝?……おはよう」 彼女がうっすらと目をあけた。 「起こした?ごめん。具合はどう?」 「大丈夫よ、ありがとう」
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