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俺は目頭を、ポリポリと中指で掻くと、もう一度戸棚の中をいい大きさの空箱が無いか探し始める。
だけど、俺も水夜が探している棚も、具合のいいサイズが見つからなかった。
***
次の日曜日。
俺は再び、水夜の館に訪れていた。
あれから雨は止まず、入れ物も見つからず、俺は自宅へ戻り、月曜日には会社へ行った。
俺の言った事が、予知されたかのように月曜日はかなり忙しい1日をすごした。
いや、1週間ずっとだ。
土曜日も仕事で夜遅くになってしまい、日曜日に水夜の館へ行くのも、疲労で行くのをちょっとやめようかと思ったくらいだった。
が、しかし。
やはり、日曜日。
目が覚めると、やはり水夜に会いたくなる。
結局来てしまった。
先週の雨とは違い、いい天気だ。
水夜はいつもと同じ通り俺を迎えてくれる。
と、思ったのだが。
なんだか、今日は違った。
水夜が笑わない。
と言うか、いつも少し微笑むだけだけど、今日は全く無表情なのだ。
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