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手首の擦り傷からは、少し血が滲んで、中指の先は内出血を起こし、小さな血豆が出来てしまった。
せっかく、昼間に見に来たのにも関わらず、今日の所は怪我をしたので、帰るしかなくなってしまった。
ただ、昨日この家の霊を全部食べたのに、もうその辺の霊が集まってきている。
私はそれを今日も頂き、家で擦り傷の手当てをした。
私にとって、霊が集まる所で良かったけれど、この辺の住民にとっては、良くない場所だと言える。
「どう言う意味だ……」
分からない。
水夜が霊を食べ物にしているのか?
と言うか、食べ物じゃないだろ。
俺の前でビスケットや、チョコだって食べてたから、普通の食べ物を食べられないワケじゃない……
ちょっと怖くなって、俺はそこで日記を閉じた。
水夜は、普通の食べ物以外に、霊を食べている?
霊を食べているから、霊の集まる所が好き?
そして、調べたりしているのか?
少しの擦り傷や血豆程度で何故家に戻らないといけない…?
どう言うことなんだ、ホントに。
シンとした空気がやけにゾッとした。
心霊番組を観るの嫌いではないし、肝試しとか学生の時にしたけど、でも、1度も霊を見た事もなかったし、怖い体験もしたことない。
だから、そう言うことは信じていなかったけれど、水夜の存在が不思議な事だから、そう言う世界もあると信用せざるを得ない。
だけど……
「……シャワーして、とりあえず寝よ」
俺は、熱いシャワーでさっぱりし、あの日記を忘れて寝る事にした。
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