190人が本棚に入れています
本棚に追加
/360ページ
次の日は、ぼんやりとベッドですごした。
水夜の館を見つける前の、普段過ごしてたように。
たまっていたテレビの録画を観て、ベッドの上でスナック菓子を食べ、水分が欲しくなれば冷蔵庫へ行き、ペットボトルの炭酸飲料を飲む。
いつもしていた事なのに、つまらない。
水夜、どうしてるかな?なんて、思っている時に、ベッドに放っておいた、携帯の電話の着信を告げた。
しかし、知らない電話番号。
と言うか、0が沢山並んでいる。
普通なら11桁。それ以上0がある。
そして、最後に9。
何だかゾッとする。
しかし、これは…なんか、ある。
怖いけど、出た方がいいと、何となく、思う。
おそるおそる、通話ボタンをタップした。
携帯を耳に当てて、向こうの様子を伺ってみる。
" もしもし…"
そこから、聞こえてきたのは、少しおどおどしたような、電話越しでも分かる、透き通るかわいらしい声。
…水夜?
「もしもし? もしかして、水夜?」
" 緋朝?ええ、私よ"
水夜の声が、生き生きとした声に変わった。
なんで、電話?
"伊蔵くんに頼んで、私もスマホを持ったのよ"
「良かった、これから連絡できるね。でも、電話番号、変だったよ?」
最初のコメントを投稿しよう!