仲良し

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たまに、「遅くなったから、いつものお部屋使ってもいいわよ?」と言われる事もあったけれど、いやいや、帰る、と言う感じで、水夜のお誘いを受けずに帰るうちに。 なんとなく、なんとなーく、心が落ち着いてきたワケ。 あまり長い時間いない事によって、期待しないようになった。 いや、俺が勝手に浮かれていたんだ。 好きすぎて、苦しかっただけに、ラクにはなった。大の大人が情けない、全く。 ただ、伊蔵は、俺の気持ちをあんまりわかってはくれない。 「水夜さんに、甘えておけばいいのに」って頼りにならない事を言いやがる。 多分、アイツはヘラヘラしてるように見えて、結構空気を読む。 俺が水夜の事を好きなのを気がついていたんだと思う。 伊蔵には、あれから2度会った。 水夜の持つスマホの番号の件と、蜘蛛の話をする為に会った時、それから、俺にもお化け退治の支払いが貰える事になった時だ。 伊蔵が水夜に渡したスマホは、どの世界の住人が見てもおかしくない番号を、画面に映し出す。 俺は、どうやら色んな世界に行ってしまう力を持っているから、バグったらしい。 もう、それはちゃんと伊蔵が直してくれた。 さすが万屋(よろずや) 蜘蛛の件は、以前のお化け退治の報告同様、伊蔵のスマホの変なアプリの画面に俺が手をかざす事になった。 やよいさんの時同様、今回も俺の行動が伊蔵の勤める万屋で、認められる事になったんだ。 んで、お金もちゃんと支払われる、と言うラッキーな話に。 なので、俺のスマホも色んな世界に繋がる電話にしてもらったんだけど、滅多に使わない。 まず、お化け退治をする事がなくなったのと、水夜にもあまり連絡をする事をしないのだ。
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