仲良し

6/21
前へ
/360ページ
次へ
俺は携帯を取ると、水夜のチャットを開けた。 「水夜、今何してる?」 ポンと俺のメッセージが表示される。 だけど、すぐに既読にはならない。 そんなすぐに既読にならない事だってあるのに、なんだ、この不安感。 急に落ち着かなくなった。 それから、1時間経った。 何度も何度も着信や既読がないか、携帯を確認する。 あぁ、行った方が早いかな、なんて思った時にようやく既読がついた。 " 緋朝から連絡くれるなんて、珍しいわね、どうしたの?私は食堂の掃除をしていたの。広いから時間がかかるわ" 俺は、ふぅっと長いため息をついた。 いや、水夜がお化けの退治に行ってたとしても、彼女は俺と違って食べる事が出来る。 今までそうしてきただろうし。 だけど、全く怪我をしない事もないワケだ。 あぁ、何とかなんないのか。 俺は彼女に電話をした。 "緋友、珍しいわね、電話くれるなんて。どうしたの?" 「遊びに行こうと思ってね」 掃除をしていたのなら、変に心配していた事を言う必要もないか。 " 勿論いいわよ" 「じゃあ、あとで」 俺は行く予定の無かった水夜の所へ向かった。 次のに行くときは、少し高級なお菓子でも持って行こうと思ったのに、夜という事もあり、コンビニでプリンを2つ買った。 *** 「いらっしゃい、早かったわねぇ」 「うん、すぐ出てきたんだ。これ、お土産、ごめん、コンビニのプリンで」 「いいのよ、このプリン好きだわ。さぁ、入って」 館の中は、いつもと変わらない。 だけど、久々に入ると、こんな大きくて広い所だったなぁ、と懐かしく思う。
/360ページ

最初のコメントを投稿しよう!

190人が本棚に入れています
本棚に追加