仲良し

7/21
前へ
/360ページ
次へ
「平日に緋朝が来てくれるなんて、ホントに珍しいわね。食事はしたのかしら?もし、まだなら簡単なものなら作れるけれど?」 「いや、大丈夫。急にきたからさ、気にしないで」 「食堂の掃除がまだ途中なの。ロビーのテーブルでいいかしら?すぐ灯りをつけるわ」 初めて来たときに、案内されたテーブル。 仄暗い玄関ロビーに数本の蝋燭の火が灯されて、少し明るくなる。 「座って?持って来てくれたプリンと、それから、飲み物は何がいい?コーヒーや紅茶?それとも冷たいものがいい?」 「あ、コーヒーでいいよ、ありがとう。手伝おうか?」 水夜はニコッと笑うと左右に首を振った。 そして、そのまま食堂へ行ってしまう。 俺は、この屋敷の中を見渡した。 広い。やはりめちゃくちゃ広い。 ここで、彼女は1人、ホントに危ない目にあった時、大丈夫なんだろうか? ホテルのような、広い食堂も一人で掃除してたようだし。 ツライとか、寂しいとか、もし手伝って欲しいなら俺がいるのに、言ってくれればいい。
/360ページ

最初のコメントを投稿しよう!

190人が本棚に入れています
本棚に追加