仲良し

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「お待たせ。伊蔵くんがおすすめしてくれたコーヒーよ。私も初めて飲むの」 水夜が、丁寧にコーヒーを置いてくれる。 そして、俺の前に座った。 「食べましょう?頂きます」 「うん、頂きます…」 俺たちは、べりっとプリンの蓋をあけて、食べ始めた。 「美味しいわ。買ってきてくれて、ありがとう」 「いや、こんな普通のプリン。次に来るときは、なんかもっと良いもの買ってくるよ」 美味しそうに食べてくれる彼女を見て、余計にそう思う。 「いいのよ、本当に、これ好きだから。緋朝も来てくれたから、更に美味しいわ」 「何言ってんの!俺が来たからって、味は一緒だよ」 水夜は、嬉しい事を言ってくれる。 赤い綺麗な唇に、プリンがツルリと入っていくのが、すごく可愛く見えるな。 ……いや、何してても可愛い 「美味しくなる魔法を持ってるのよ、私はにとって特別だもの」 「……特別?」 押し込んでいた気持ちが、ウズウズとした。 駄目だ。 駄目だからな、俺は水夜の友達であって、それ以上じゃないだろ?
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