仲良し

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「そうよ、緋朝は私にとって、とても特別。 それじゃないと、こんなに食べ物が美味しく感じる訳がないわ」 なんだよ、それ。 期待してしまうような、そんな、セリフ。 「な、なんか嬉しいな、アハ」 俺はプリンをすくいながら、愛想笑いをする。 「緋朝は、そのプリン、美味しい?」 俺は顔を上げた。 どういう意味で聞いてるのか。 プリンは普通に美味い。 だけど、そういう意味じゃなく聞いてるのか? 「う、美味いよ」 「どのくらい美味しい?」 なんだ?この質問責めは。 水夜の大きな瞳が、真っ直ぐ見つめていて、目をそらせない… 「水夜、それは、どう言う意味で聞いて…」 「緋朝の会社の可愛らしい女の子といる時と、どっちが美味しい?」 な、なに? 会社の可愛い子? 矢田さんのことか? 「矢田さんか?なんで、水夜が知ってんの?」 「……私、見たもの。 緋朝が可愛らしい女の子と、お昼ご飯を会社の外に食べに行くのを見たもの」 「は?」
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