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「な、なんだ!今の音!?」
「奥からしたわ」
水夜がいう奥は、食堂前の廊下の奥。
浴場のある廊下を指していた。
この館に泥棒なんて入れる訳ない。
勝手に入れるとしたら、伊蔵か、化け物だ。
俺は、食堂の掃除で使っていたモップを借りると、両手に持ち、水夜は俺の後ろからコッソリとついてくる。
広い浴室の窓などを点検したり、他のガラスが割れていないか点検する。
「バスルームではないみたい…」
俺たちは隣の部屋に入る。
そこは、水夜が具合悪くした時に使う寝室だ。
よく外に、緑霊香を巻いて、水夜がエネルギーを貯める場所だけど、その窓が、バリバリに割れて部屋の中がガラスだらけだ。
ガラスが割れた向きを見ると、外側から内側に何かが入ったんだ。
「水夜、なんか思い当たることは?」
「ないわ。毎日普通にいつも通りに過ごしていたもの」
「最近、いつもより大きな化け物を食べたとか?」
「いいえ、だって最近食べに出かけていないの 。緑霊香で霊を誘って食べているわ」
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