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部屋の中を、警戒しながら見回す。
今の所、特に何もない。
なんだ…一体…
「緋朝、これ見て」
水夜が指指すところを見てみると、ガラスが散らばった辺りに土がバラバラと散らかっている。
しかし、もし、人が入ったら靴の型とか、歩いた跡とか、ありそうなのに、そんな物は一切ない。
「外から来た時に、服についていたのか?」
もう一度部屋を見渡す。
やっぱり、特に何もない。
でも、なんか、空気は違う。
誰か。何か。入ったんだ。ここに。
「……とりあえず危ないから、ガラス片付けようか」
「そうね」
割れたガラスを片付けて、何気に窓の外を見る。
窓枠は大きい。その太い木の窓枠もバキバキに折れて曲がっていた。
力の強い物だよな…そう思うと、ちょっとゾッとする。
いや、何かを投げ入れたのかも知れない。
見えない何か。
とにかく、色んな場所を見てみたが、それらしき物は見当たらない。
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