仲良し

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俺は幸せと、未来への不安を胸に過らせていた時だった。 食堂の方からガターンと何かが倒れる音が響いた。 俺たちは顔を見合わせて、一緒に立ち上がる。 「何の音だ!?」 「行ってみましょう」 俺たちは廊下を小走りで進む。 食堂の入り口で先に俺が水夜を止め、中を覗こうとしたけれど、水夜は俺の制止も聞かずに、ツカツカと食堂へと入って行ってしまった。 「ちょっ!おい!水夜!」 キョロキョロと辺りを見渡す、水夜の横に俺も行くと、同じように周りを見た。 「見て、バケツが…」 食堂の隅に置いてあるバケツが、倒れている。 水が少し入っていたのか、それが石でできた床に、すうっと水の筋が一本伸びている。 警戒しながら近づいてみると、水の筋から、小さな丸い水たまりが数個。 人間の足の大きさではない。小さな物。 動物の足跡か? 点々それがキッチンの方へと残っている。 俺たちはすぐにキッチンのほうに顔を向けた。 しかし、キッチンはシンと静かで何かいる感じはしない。 「緋朝、私が見てくるわ」 「俺も行く!」
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