仲良し

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俺は水夜を抱きしめる。 「俺って水夜の彼になったんじゃないの?」 急にそう言われた水夜は、珍しく動揺して顔を赤らめた。 「……こ、んな時に何を言っているの?さぁ、ここを出ましょ?」 「照れるなよ」 俺は逃げようとする水夜を更に抱きしめた。 「んも、緋朝!やめて頂戴」 「やっぱりって言った事を教えるまで話さない。俺の大事な彼女を悩ませてるのは何なんだろうな」 ふざけながら、彼女の手首を掴み、片手で腰を引き寄せる。 水夜は耳まで真っ赤になって、顔を俺から背けた。 それが、可愛くて、余計にいじめたくなる。 が、彼女の隠し事を聞く為だ。 上から見下ろす水夜の濃くて長い睫毛が、震えていた。 愛しくて、背の低い彼女の頭に、そっとキスをする。 「緋朝ったら、もうやめて」 「やめないよ。教えてくれるまでやめない」
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