街に住む野獣

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「緋朝、前のように私、あなたの隣で眠るわ。あなたを守る為、あなたに守ってもらう為」 「ん、勿論だ。俺はお前を守る」 だけど、その日、その獣が出てくる事は無かった。 そのかわり。 いや、そのかわりなのか、分からない。 浅い眠りの中、変な夢を見た。 少年が遠くの方で立っている。 少年だと分かったのは、体型と何となく見える服装だ。 しかし、頭の方は影になっていて顔が見えなかったが、不自然にぐらぐらと揺れている。 よく見ると、左右腕の長さが違っていて、右腕がダランと垂れ下がっているように見えた。 少年がいる場所は、森?山?とにかく沢山樹木があり、高くて、太い木の下だ。 こっちを見つめ、何も言わず、そこに立っていた。 白い獣に関係あるんだろうか?
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