小さな約束、大きな約束

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「うっ!…うっ…!」 泥の気持ち悪い感触と、下へ伸びる硬い木の根が腕や顔にぶつかりながら、俺は下へと引っ張られる。 どこまで引きずり込まれるんだろう。 …水夜、とりあえず館に戻るんだ! 俺は心の中で強く思う。 でも、そろそろ息が続かない。 このままじゃ、泥を飲み込んでしまう。 何とか息をしないと…… その時だった。 頭に大きな衝撃が走った。 石で頭を殴られた? それとも、泥の深い場所まで、大きな岩があったのか? 俺は、幸か不幸か、泥を飲む前に気を失い、深く深く沈んで行った。
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