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しかし、今度は頭が変な形で、穴に落ちたからか、右肩が浮いている。
体重をかけて、宏則を中に押し込もうとするが、
穴の深さが足りない。
コイツ…何にも考えてない。
男は再び舌打ちすると、またもナイフを宏則の肩に差し込んだ。腕を取り外すつもりだ
やめろ…やめろ、と俺は何度も呟いた。
ゴリゴリ動かすが、骨がある。力一杯ナイフで刺さるとこまで刃を入れるが、小さいナイフでは、最後まで切断できず、男は再び無理矢理、穴の中に右肩を押し込んだ。
ゴキッと言う感触と共に、宏則の肩の骨が外れたのが分かった。
穴になんとか収まった宏則に、男は土をかけ、足で踏み固め、それから、大量の落ち葉をかけた。
「美和子は俺のものだ」
美和子?
宏則の母親か?
こんな事をして、手に入ると思っているのか?
なんて自分勝手な!
血で染まった服を、池に投げ捨て、新しく服を着る。
そして、シャベルや袋も池に投げる。
何もかも沈んでいくのを見て、俺は逃げ出したくなった。
宏則が…可哀想すぎるじゃないか。
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