小さな約束、大きな約束

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「緋朝、えっと、ひろ、のり君、だっけ…その子の事は、落ち着いた時でいいわ。今日は、もう休みましょう、顔色が悪いわ」 「あぁ。……うん、そうしたい」 そうだ、俺は仕事にも行かなければいけない。 少し休まないと…… 俺はすぐに眠りに落ちた。 朝まで俺は深い眠りについたが、あまり疲労はとれなくて、水夜の出してくれた朝食も、ほとんど手をつけないまま、会社に出勤した。 *** 「まぁ!緋朝!自宅で休んだ方がいいんじゃないの?」 仕事が終わって、そのまま水夜の屋敷に向かった。 着替えなどは、俺の部屋に置かせて貰っているし、またここから出勤しても、大丈夫だ。 まだ疲れは取れていなかったけれど、俺は水夜に宏則の事を話したかった。 水夜は、俺の鞄を自ら取り、そして、中に入れてくれる。 「今日は、疲れたでしょう?軽い食事用意しましょうか?それとも、スタミナがつくような……」 「あ、軽いのでいい。ホントありがとう」 「すぐ用意するわ、着替えて待ってて」 水夜が優しくて、気がきく彼女で良かった。 ……… …でも、この先俺だけが歳をとり、彼女を残していくのか… 体が疲れているからか、ネガティブな事が頭に回る。
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