小さな約束、大きな約束

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「緋朝は、あの泥の中からどうやって、池に移動したの?」 「いや、分からない。泥の中で、誰かに引っ張られた。多分、宏則だ。俺は、気を失って、宏則の過去を見た。水夜が言う通り、殺されてたよ。俺が水夜に助けられたあの場所に、犯人が埋めた。白いライオンは、宏則が飼っていた猫だ。簡単に言うと化け猫になった。宏則を守ろうとしてたんだよ、多分な」 「……そうだったの。だから、宏則くんがお母さんを探して、叫んだ時にライオンが来たのね……」 「いい子だったのに、酷い殺され方をした、シャオファもだ。シャオファ、白いライオンの名前なんだ…あぁっ!そうだっ!!」 そこまで言って、急に思い出した。 俺はシャオファの首輪を、杉村の財布と一緒に埋めたんだ。 水夜は目を大きくあけて大声を出した俺を見た。 「驚いたわ、どうしたの?」 「杉村の財布と、シャオファの首輪を一緒に埋めた。その首輪、シャオファに使うからこそ、今回の目的として、それが出てきたのかも、だよな…?」 「ええ。そうよ。そうね!緋朝が落ち着いてから、掘り返しましょうか」
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