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再び、水夜が手をかざすと、日記を読んでいる俺がボヤけて、次は俺と水夜が部屋で何かを話している映像があらわれた。 俺は手の平に、何か小さな物を乗せているが、よく見えない。 「何か2人で話してるっすね。もう少し前ってどれくらい前にしたんすか?」 「2ヶ月前よ、つまりさっき見た緋朝より、1ヶ月前。見て、向こう側に日記が置いてあるわ。まだ封印は解けてない」 確かに、水晶の中の俺たちの向こう側、テーブルの上に日記が置いてある。それにはお(ふだ)が貼り付けてあり、まだ封印が解かれていないのが分かった。 「もっと、確実な日にちを言ってみるとか?具体的な質問をした方がいいかも知れないぞ?」 「…そうね、でも、ちょっと待って。その質問はまたにしていい?まだ何も出来ていないから、ちょっと心配になってしまったわ」 水晶が曇った紫に戻る。 「日記の事をみようと思ったワケじゃないのに、日記が関わっているシーンばかり。何かありそうだもの。色々詳しく見れば見るほど、日記に関わることの準備しなければならない気がするわ。心の余裕もないと」 「うん、そうかもね。俺も水夜も」 「俺もっすよ、2人が心配だし」 伊蔵がニシシと笑った。その笑顔は心配しているように見えなかったが、場を和ますための、コイツなりの気遣いかも知れない。
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