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「でも、何で3ヶ月後の俺だったワケ?万が一、鼻ほじってるとことかだったら、恥ずかしいだろ?」 俺が鼻をほじる真似をして、笑いながら言うと、水夜は俺をチラッと見て目をそらす。 「……3ヶ月後も、私のそばにいてくれているのか、心配になった」 色白の水夜が赤く染まっていく。 「水夜…」 「私たちは不思議な関係だから」 ……水夜も、俺と同じように、この関係を心配していたんだ。 俺だけ気にしていたんじゃない。 「離れないよ」 俺はテーブルに置かれていた彼女の、白くて細い手を握る。 「2人で日記のに関わる人、幸せにしていくって言ったじゃん?」 水夜は俺と目を合わす事なく、コクコクと何度も頷いた。 「俺たちが離れる事がないように、その事も考えていこ?」 再び下を向いたまま、何度も頷く彼女は泣くのを我慢しているようだったが、俺と目が合った瞬間、大きな黒い瞳から涙がプクリと盛り上がった。 ……ずっと1人は水夜も寂しかったに違いない。
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