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俺について、ここへ入ってきた? 女の子は、無表情にこちらを見つめていた。 水夜はその女の子に近づいて行くと、しゃがみ込む。 「あなたのお名前は?どうしたのかな?」 女の子は何も答えない。 ただ、水夜を見つめている。 「んと…そうだ。お家の中へ入る?お菓子食べる?」 女の子は、無言で水夜の後ろで様子を見つめる俺を見た。 そして、数秒そのまま見続け、路地の向こうに駆け出した。 「あ!待って…」 女の子は、俺の世界の方に行ってしまったのか、フッと消える。 「誰、かしら…」 「いや、全然分からない。霊なのか?」 「……分からないわ、半分生きた人間のエネルギーを感じるし、半分は霊のような、そんな気を感じる。生き霊のような」 俺たちはしばらく女の子を待っていたが、戻ってくる様子もなく、屋敷の中へ入る事にした。 「俺たちを傷つける様子もなかったし、敵という感じは感じられなかったな」 「ええ。でも、不審がっていたわ。 ……ここにきたのは偶然かも知れない。何かあるならまたきっと戻ってくるわ」 薄く微笑む彼女に、俺も頷く。 「そうだな、あ、これ、お土産。出張先で買ったお菓子と、近くのパン屋で美味しいって人気のジャム買ってきたんだ」 「まぁ、楽しみね!お茶を入れるわ。何が合うかしら」
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