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「実は水晶の扱いに、だいぶ慣れたの」 「おぉ、良かったじゃん」 「うん、それは良かったのだけど……あのね、練習をしている時に見たのだけど、日記の封印解けるんじゃなくて私たちが解くみたいなの….」 「え……自分から解くってこと?」 水夜が頷く。 何で…? 頭の中で、自分たちで封印と解いてしまうという理由を探す。 が、見つからない。 「他に分かった事は?」 「日記を読む前に、私たちがもう一度、宏則くんの埋められた所に行く。あの山を、歩いているのを見たわ。それから、宏則くんに会う…」 俺は目を見開いた。 「宏則は、もう光の中に入って、成仏したんじゃないのか!?」 思わず立ち上がり、声が大きくなった。 ハッと我に返って、静かに椅子に座る…… 「ええ、宏則くんは、もう天に行ったわ。 むしろ、私たちの為に彼は、この世界に降りてきてくれたんだと思う」 「な、何で?」
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