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「詳しくは分からないけど…私なりに考えてみたの。私たち、関係した人の持ち物を、ここの裏に埋めたじゃない?少しでも供養したいって。でも、宏則くんの持ち物は今回持ち帰ってない。だから、私たちは宏則くんが眠るあの山に入ったんじゃないかしら……
勿論、憶測だけどね」
「いや、ちょっとそれは思ってた。宏則の物を何か持ち帰って裏に埋めて手を合わせたいなと。光の中に入ったとしても、いつまでも心に残してあげたい、みたいな」
水夜は「そうね、私もそう思うわ」と言って紫蘇ジュースを飲んだ。
近々……
俺たちは行くことになるだろう、宏則の所に。
ただ、宏則の遺体からなにか持ち帰れるのか、それとも天から来てくれる宏則が何か貰えるのか、それは分からない。
「詳しい日付は分からなかったけれど……頭の中に3と言う数字が何度も浮かぶの。だから、きっと3日以内には行く事になるのかも知れないわ」
「3日か…分かった。俺も心の準備しておく」
「ええ、私も。」
もっと、詳しく分かれば良いのに。
漫画でよく見るような、占い師や魔女が水晶で、未来を見る事があるけど、あんな感じだろうか?
抽象的にボンヤリと先が分かっても、ピタリと未来が分かる事がないのかな…
煎餅を皿の上に置いたまま、遠くを見てボンヤリそう考える俺の考えを見抜いたのか、水夜が俺の手の甲に自分の手を乗せる。
「ごめんなさい、もっとハッキリと分かればいいんだけど……」
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