時間を移動する

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「ゆーらん!確かにそう言ってた!」 「なんかね、玉って漢字にお花の蘭って、書くみたい。蘭は僕には難しい漢字だって」 「玉蘭(ユーラン)ちゃん。日本人じゃないよな?」 宏則は、コクリと頷いた。 「台湾の女の子なんだ。その指輪を、お母さんの家族に渡して欲しい」 「台湾!?ええ?」 俺は水夜を見ると、小さく上下に頷いた。 「必ず渡すわ」 「台湾なんて、いけるの?」 「すぐよ」 水夜のいつもの空間移動で、そんな所までいけるってことなのか? まぁ、それよりも。 「分かった、指輪の事は任せとけ。あと、お願いがあるんだけど」 宏則の目線に合うように、俺はしゃがみ込む。
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