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「ん…」
彼女の漏れた声を更に塞ぐ。
頭と、細い腰を引き寄せて全身に彼女を感じたかった。
薄く目を開けて、彼女を見ると、水夜もまた潤んだ瞳で俺を見つめていた。
むしろ、涙ぐんでいるようにも見えた。
「水夜?」
「大好きよ、緋朝。本当に好き」
その言葉を聞いて、もう一度彼女と唇を重ねる。
俺だって、好きだ。
水夜の事がこの先もずっと、愛していける自信がある。
俺たちの絆は特別なんだ。
***
いつもの大きな大浴場、そこで熱いシャワーを浴びさせて貰った。
肩や首を流し、顔を洗おうと鏡を見た。
「……ん?」
額に朱色の塗料が付いている。
しかし、それを拭き取った感じで、少しの拭き残しがあって、それに気が付いた。
さっき、水夜か言ってた泥?
泥にしては、鮮やかな色に見えるけど。
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