たて子さん

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「座って。熱々のうちにどうぞ召し上がれ」 「これ、水夜が作ったの?凄いね、全部美味しそう」 大きな牛肉がゴロッと入った良い香りがするビーフシチュー。 薄く切ったトマトとチーズを交互に並べて長い皿に盛りつけられたサラダ。 サーモンとキノコのソテーは見た目からして香ばしそうにきつね色に焼けていて、パンも艶やかに薄暗いシャンデリアの明かりで照らされていた。 「男の子だから沢山食べれるでしょ?」 「うん、腹減ってるから食べれる。頂きます」 水夜の料理はどれも美味しかった。 中でもビーフシチューは今まで食べてきた中でダントツで一位だ。 「ビーフシチュー、めちゃ美味ぇ」 「おかわり、あるわよ。沢山食べてくれて嬉しいわ。作り甲斐がある」 俺は遠慮なくおかわりし、腹一杯になるまで食べた。 俺も片付けを手伝うと、自分が使った皿を片付けていたら、お風呂が沸くまで自分の部屋でゆっくりしていてと、俺から皿を取り上げて、キッチンへ行ってしまった。 「……なんか、悪いなぁ……」 かと言って、勝手に歩き回るのも悪いと思い、俺は自分の部屋に戻った。 ベッドに座ると、仕事の疲れもあってか気持ちよくて、そのまま寝転がる。 「はー……気持ちいい」 あぁ、でもこの後日記を読まなくちゃいけないんだよな…… 水夜がいるとは言え、何とかなるんだろうか、ホントに…… そう思いながら俺は、ついウトウトと眠ってしまった。 *** 「緋朝……緋朝。大丈夫?」 「ん……」 目を開けると、水夜が上から見つめていた。 「うっわ!み、や!」 俺は焦って飛び起きる。 「勝手に入ってごめんなさい。何度もノックしたけど、返事がないから心配で」 「大丈夫!寝ちゃっただけ」 勝手に入ったのはいいけど、俺の寝顔見られたのが恥ずかしい。 すごい変な顔してただろうな。 「お風呂、入る?もう少し後の方がいい?」 「いや!入る入る」
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