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「これね、僕とシャオファの魂のカケラなんだ」
「えっ!?」
俺と水夜はお互い顔を見合わせてから、宏則を見る。
宏則は俺たちの手のひらに一つずつ、白く光った綺麗な玉を乗せた。
「これは、2人がもし離れ離れになっても、僕とシャオファみたいに、また会えるようにっていうプレゼントだよ」
シャオファが、まるで「そうだよ」と言うようにミャアと鳴いた。
「……僕さ、まだみんなで光の中で過ごしているけど、もうすぐお母さんとお別れなんだ。お母さん、生まれ変わるんだって。
……でも、そんなに寂しくないんだよ、その後、またお母さんの子供として僕も生まれかわるんだ。お母さんともね、魂のかけら一緒に持つことにしたから」
宏則は本当に嬉しそうに、俺たちに話した。
まるで、生きていた時に見た、眩しい笑顔だ。
「お姉ちゃん、僕と同じ死んだ人でしょ?僕、分かるんだ、お姉ちゃん、自分が光の中に行きたいって願えば、もう、お姉ちゃんも行けるよ?」
「え……」
水夜は宏則の言葉に驚いて、言葉を失くしている風だった。
「ホントだよ、お姉ちゃんさえ、行きたいって思えばね。あまりにもずっと生きている人の世界と、死んだ人の世界の真ん中に居たから、自分でどうなのか分からなくなっちゃったんだね。お兄ちゃんは、生きている人だから、お姉ちゃんと来ることは無理だけど……でも、いつかその僕があげた、そのかけらが、仲良しの2人を会わせてくれるよ?」
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