結ばれる糸

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「リアルにって?」 「いつ、どこで、何が起こるって言うのを確実に予測出来るの。勿論、私が日記で書いてきた事と違う事をするのだから、未来は変わることもあるわ。 でも、その後のこともキチンとどうすればいいのか分かる。私も霊力が上がったわ。もう完全に慣れた物のように使いこなせる。 でも、霊力が上がったのは、私だけじゃないわ、緋朝もよ」 「は?」 「宏則くんから貰ったこの真珠のような玉。あれが私達の霊力を上げたの。小さくして亡くなった子はね、魂が純粋なの。小さければ小さい程、神に近い存在。 宏則くんは死ぬ時でさえ、シャオファの心配をしていた程、心の優しいいい子だったから、その純粋なエネルギーがとても強い」 でも、俺にもうその霊力は要らないのに。 もう、ここに来る事ができなくなるようになる。 俺は手のひらの小さな玉を見つめた。 「私達、離れてもこれのお陰できっとまた会う事が出来るわ。……ううん、私達これが無くても、会えると思うけど…だって沢山想いあってるんだもの。それは私だけかしら?」 俺は、勢いよく起き上がり、首を左右に振った。 「俺も水夜が好きだよ!ホントは離れたくないのに!でも、この別れが大切なのも……分かる」 俺は頭をうなだれた。 別れってこんなつらかったっけ? 何人か付き合って別れを経験したけど、こんな寂しくてツラくて、本当に自分の体がもぎ取られるような痛みを感じったっけ? 涙が勝手に流れた。 男だから声を出して泣くのは堪えた。 だけど、ボロボロ頬を伝う涙を止められなくて、目を擦る。 「緋朝……」 今、彼女はどんな顔をして俺を見ているんだろう? そんなのも見れない程、俺は泣いていた。 彼女が俺に寄り添い、胸元に抱きついてくる。 細くて小さい水夜の体を片腕で抱きしめた。 もう片方の手は、涙の止まらない両目を覆っていたから使えない。
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