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「私達が前に水晶で見たあと、日記の封印を2人で解いた、あの未来は変わったわ。私が一人で封印していた日記を開けていたの
涙で揺れる視界の中、陽の光を受けて輝く水晶を眺める。
俺が水夜におまじないをされた時、彼女はぼんやりと窓の外を見ていたのではなく、水晶を見ていたのかも知れない。
何となくそう思った。
彼女は孤独だ。
俺は今までの生活に戻るだけだ。
その孤独を…また味合わせる事なんて、本当に俺もツラいけど、彼女もいずれあの光の中に行ってもらいたい。
そう思う。
「緋朝、私ね、日記の事が終わったら、ちゃんと光の中へ行くわ。そして、生まれ変わるなら、またあなたに会いたい。そして、また愛し合って、今度は家族になるの」
「うん、そうだな。俺たちにはこの宏則と、シャオファから貰った光の玉がある。絶対会えるよ」
「日記は厚いし、まだ何冊もある。寂しいけど、あなたと会えるって思ってるから、以前ほど寂しくないわ。
……本当に好きよ、緋朝」
俺に抱きついたまま、俺を見上げた彼女の瞳か、大きな涙の粒がポロリと伝った。
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