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「可愛いお饅頭ねぇ、この鳥、知ってるわ。シロエナガって言うんでしょ?写真で見たことがあるわ。食べてしまうのが勿体ないわね」
彼女は日本茶を入れて、箱の中の鳥たちを皿にうつしていく。
「水夜、今日はプレゼントがあるんだ」
「あら、なぁに?」
俺はラッピングされた小さな箱を水夜の前に置いた。
「開けていいの?」
「勿論」
彼女は丁寧にリボンをほどき、包みを開けていく。
そして、中から出てきた箱を開けて、俺を見た。
「指輪?綺麗だわ。変わったデザインなのね」
「うん、実は俺の指輪もある」
リングの真ん中には水の雫が少しくにゃりと曲がった形のデザインが付いている。勾玉のような形。
俺の指輪は上が尖っていて、水夜の指輪は上が丸い。
デザインが逆ということだ。
「高かったんじゃないの?いいの?頂いても」
「うん、ここで貰ったお金で買った。俺たちの思い出、1つでも増やそうと思って」
「嬉しい、ありがとう。付けていい?」
「俺がつける」
俺は指輪を手に取り、彼女の薬指にゆっくり入れた。
彼女は、満足そうに手をかざして指輪を見た。
「じゃあ、緋朝の指輪は私がつけるわ」
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