たて子さん

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「知らないわ。だって、食べてしまったし。私は特にそういう事を調べている訳じゃないから」 「えぇ…なんだよ、それ」 「気になるならあなたが調べればいいのよ。今日眠ったら、たて子さんと会えるのだし。私も何故あなたと私で見たものが違うのか調べる訳でしょ?お互い知りたい事を調べればいいのよ」 俺は真顔で左右に頭を振る。 「いやいやいや!そこまでは知りたくない。 それにたて子さん、話、しねぇじゃん!聞いたとこで返事返ってこねぇし」 彼女は片眉を上げて、やれやれと言った感じで ベッドの、俺の横に座った。 「分かったわ。別に緋朝の眠った後の行動は気にしない。あと、今日何時に寝るかも自由にして。私は隣の部屋にいるから、また眠った後に会いましょう」 そう言って、俺に顔を近付けた。 綺麗な顔が急に近くに来るから俺は思わず仰け反る。 「な、なに?」 「おやすみなさい」 水夜の形のいい唇が、俺の唇に当たる…… と、思った。 が。 フゥッと息を吹きかけられて、「じゃあ、また後で」と言いながら彼女は立ち上がった。 「何?今の何?」 「眠った後に会えるおまじないよ」 水夜は俺の部屋から出て行き、少しして、隣の部屋の扉が開閉される音が聞こえた。 俺、今、顔赤いと思う。 顔がすっげ熱い。 高校生か、俺は! これくらいの事で何赤くなってんだ。
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