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「やよいさん……たて子さんじゃないのか……」
たて子さんと言うのは、やよいさんを見た誰かが……おそらく小学生がつけた名前じゃないだろうか。
何となくだけれど、目が縦についているから、たて子さんとか、そんなじゃないかな……
「やよいさん、あなたに会った他の人たちはどうしたの?」
「お、おい!水夜っ」
水夜が単刀直入に言う。
もっとオブラートに包んで言えないのか。
「おおぉあああ、ああぁぁあ!」
俺はビクッと震えたが、たて子さん、いや、やよいさんは押入れを指差した。
押入れは、例の初めてやよいさんに会った、あの場所だ。
水夜はすくっと立ち上がり、押入れを開ける。
押入れの中には、畳んだ布団が入っている。
でも、かなり汚れている。
「これ、以前に敷いていた布団ね。血が沢山付いていたのを覚えているわ」
水夜が他に何もないかと押入れの上段と下段を覗き込む。
その時。
「水夜!やよいさんが」
やよいさんが、四つん這いで押入れの方へ這っていき、下段の床の隙間に指を入れた。
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