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「そうだ、また来る約束をするよ、すぐには来れないけど、ほら、指切り」
俺はやよいさんに小指を出した。
彼女は俺の小指と、俺の顔を交互に何度も見る。
真顔で縦になった目を、何度も瞬きさせているが、どう言う気持ちなのか俺には伝わって来ない。
指切り、約束、通じるかな?
俺は「ほら!」と笑顔で小指を更に突き出した。
水夜を助けないと。
早くしないと!
ようやく、彼女は、口角を上げて、歯を見せて笑った。
やよいさんは、細い小指を出して、俺の小指に絡めた。
俺はギュっと小指で握り返すと小さくその手を上下に振る。
「ゆ、指切りげんまん!約束!
やよいさんも楽しみに待ってて?ゲームもしようよ、トランプは出来る?
沢山お菓子やジュース持ってくるから。
ただ、今日は水夜も俺も帰る。彼女を呼んで来てくれる?」
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