幸せに導く

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屋敷へ続く路地を抜け出て、自分のマンション近くのコンビニでスポーツ飲料何本かと、ゼリーやヨーグルトの食べやすい物、あと、自分が食べるおにぎりやパンを見繕う。 それから、冷却ジェル枕をレジに向かう最中に見つけ、カゴに放り込んだ。 屋敷に戻ると、すぐに水夜の元へ向かう。 だけど、ドアノブを回す前に、さっきの事を思い出した。 水夜の整った顔と、それに見合った綺麗な上半身。それに対して彼女が吐いた奇妙な吐瀉物。 違和感。 やはり、彼女は普通の人間ではないと思い知らされる。 自分とは違う。 だけどーーー 俺は扉を開けた。 水夜は相変わらず、ぐったりと横たわっていて、まさに死人のように動かない。 俺は静かに彼女に近寄ると、スポーツドリンクを一本、サイドテーブルの上に置いて、残りをキッチンの冷蔵庫にでも入れさせて貰おうと思った。
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