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キースは帰り際の噂話を思い浮かべて口ごもり、グレッグはギロリとした視線をキースに向ける。
「ドラゴンの種類とか、歴史とかのつもりだったが、街の噂も聞いたみたいだな」
「いや、あの、フィレルさんからではなく、ガンディールという方が……」
フィレルを悪く思われるのが嫌で、ガンディールの名を出す。
グレッグはパッと明るくなってキースの肩を叩いた。
「お前、良くやった!アイツがフィレルの所に行ったって事は、近いうちに大物が来るぞ。そしたらドラゴンの肉を食わせてやるからな」
キースがまた表情を固めると、グレッグは大笑いする。
「心配すんなよ。心臓なんか食わしゃしねぇ。噂じゃ俺らが飯のためにやってるって言われているが、俺らの本職は元々ハンターじゃねぇ」
「そうなんですか!?」
「ハンター業が始まる前には、俺らは別の仕事に就いてた。大戦が始まって割りが良かったからハンターも始めただけで、割りが悪けりゃ本職に戻るだけだ。今だってうまく兼業してる」
グレッグの言い分はもっともで、キースは今日一日で得た情報量に頭がパンクしてくる。
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