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ドラゴン狩は一回の戦闘で決着がつく事は少なく、対峙してから二、三日かけて数度の戦闘でケリをつける。
一度の戦闘で武具も傷むため、フィレルはたいていの狩には呼ばれていた。
彼らの他にも、ドラゴンが出ると情報を得たハンターたちが集まってくる。
「初撃を与えた者とトドメを刺した者でドラゴンを折半する事になる。初撃はキツイから正規に任せて、俺らはトドメを狙う。お前はサポート役だ。いいな」
グレッグの言葉にキースは頷く。キースはまだ強靭な肉体ではないので裏方だ。
フィレルは倒したドラゴンの翼を貰うという条件で誰に対しても武具の手入れを引き受けていた。
初めてのドラゴンに、初めての戦闘。
キースは不安と興奮の両方が募るも、どこか冷静だった。
この間までは漠然とした恐怖があったのだが、実際にドラゴンが現れてもキースは冷静だった。
その生態と構造をフィレルに教えられ、ただの生き物なのだと見ることができ、更にはこの翼からどんな黒傘が生まれるのかと、ワクワクした。
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