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「あ、あの、僕、ドラゴンハンターになりたいんです……」
筋骨隆々な男たちの前で、足が竦みながらも声をかけた。
男たちは全部で七人。昼間から酒を酌み交わしており、ヒョロリとした体格のキースを見て鼻で笑う。
中でも左頬に爪痕が残るグレッグが大声で笑った。
「今時、酒場のドラゴンハンターに来るとはバカなガキだなぁ。まぁ、そんな体じゃ、正規のハンターにはなれねぇもんなぁ」
「せ、正規?」
「おまけに学もねぇ、田舎者か」
グレッグはもう一口酒を呑んでから、ニタリと笑ってキースを見た。
「いいぜ。人手が足りてねぇからな。早速だが、武器をフィレルの所に持ってってくれ」
キースは別の男に手招きされ慌てて駆け寄る。
五本の乳白色の大剣に、四個の黒い盾。どれもボロボロでドラゴンとの戦闘の痕が見られる。
「黒傘はないのかぁ……」
まだ出会えない黒傘にキースがボヤけば、グレッグたちは大笑いした。
「あんな面倒で金のかかるもん、今時使わねぇよ。でもフィレルの所にいきゃ、いっぱい見られるぞ」
「本当ですか!?」
その言葉を希望に、武器と防具を束ねて担いで、ガチャガチャとキースは駆け出した。
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